11 探索
たまたま地盤が緩くなっちゃっているところに、私の足が乗っかっちゃったようで、ずがぁっっっ…!!と落ちちゃいました。ゼルガディスさんがとっさに私の身体を助けてくれたみたいで、私自身には怪我はないんですが…。
「大丈夫ですか!?ゼルガディスさん!!?」
「ああ。こうゆうとき、合成獣だから、助かる…」
そう言って、ゼルガディスさんは苦笑しました。悲しげな、その表情が、私にはとっても苦しくって、どうしようもないんです。…だって、私にはゼルガディスさんの合成獣の姿を元に戻すこと、出来ませんから…。
「…しかし、地下だが…、人工物か?」
ゼルガディスさんは早速調べにかかります。
「ぢゃ、探索しましょう!!」
そう言うと、ゼルガディスさんは苦笑しました。
むー、なにか面白いところでもありましたか?私的には普通なんですけど…。
言葉の提案に乗ってくれて、私とゼルガディスさんは、その地下を探索することになりました。地下自体はあんまり枝分かれしていなくて、探索自体は楽でした。
突然、大きな広間に出て、そこは綺麗な花が咲いていました。
「うわ〜、綺麗ですぅぅぅっ!なんで、こんなところに綺麗な花が咲いているんでしょう?」
「さぁ、な」
ゼルガディスさんは慎重に花びらをむしり取ります。
すると、むしりとられた花びらが簡単に再生しちゃいました!
「一体これは…」
光り輝いていますし、謎です!事件です!
私はそう思って、光の届いているとこへ行きました。すると、何故か声が聞こえました。
「聖なる少女」
言葉ははっきりしていて、ふわふわしたものが私の周りに渦巻いていました。
敵意がないことが分かります。
悲しみだけが私のところに届いてきます。
「おい、アメリア!」
ゼルガディスさんが心配そうな表情をして、私のところに来ます。
私、どうかしましたか?
「なぜ、泣いている?」
泣いている?
私は、私の頬に触れました。確かに、それは水で、涙なのでしょう。
「これは…私の涙じゃないです…これは…」
花たちの涙。
永遠に生きることを強要された。
…ああ。ならば。
「悲しいことです」
ゼルガディスさんの懐から、ふわりとあの真っ白な魔道書が私の手に降り立ち、なにも書かれていない場所に漆黒のインクで文字が記されました。
古代文字は苦手ですけど…読めます。
「『永遠の悲しみ。永遠の苦しみ。それを知るは優しき少女。それを破るは聖なる少女。少女は言葉を知っている。悲しみの言葉を』…もう、浄化されても良いのですよ。苦しみを知る、貴方たちは」
ふわりと、私の周りを舞っていたふわふわしたものは上へ消えていき、花は休息に枯れ、消えてなくなり、そこにはただの洞窟が残りました。
ゼルガディスさんがちぎった花びら以外は。
「生き続ける事は、もしかしたら、死ぬ程に辛いことなのかも知れないな」
ゼルガディスさんの言葉が、宙に木霊しました。
>>20050118
親しいものたちと別の時間を生きるのは短くとも長くとも悲しい。
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