そうしてまた刻は交わる。




 その日の夜。

「ゼルガディスさぁ〜ん、部屋に入ってきてくださいよぉ。一緒にお話しましょうよぉ」

 アメリアの部屋の前で見張りをしている、と述べたゼルガディスにアメリアの焦れた声が響いた。
 どこか甘えたような間延びした声に、ぎゅうぎゅうと彼の旅服である白い魔道衣の袖を引っ張る様は見ようによっては夜の遊戯を誘うものにも見えただろう。が、此処はセイルーン城である。常時兵士や侍女が配置されているといっても、主人のプライベートを見ようとする輩は居なかった。もっとも、廊下であるのだから誰かに見られてもおかしくないのだが、その辺りは気を使ったのか誰も通らない。――ゼルガディスにとっては困ったものでしかなかったが。

「アンタなぁ……、もうちょっと自覚しろ。昨日俺がアンタの部屋で一晩中いたことで、只でさえ城に娯楽を提供しているのにまた更なる娯楽を提供するのか?」

 その言葉に含まれたものを察したのかさっとアメリアの白い頬が赤く染まる。
 アメリアの表情の変化に、ゼルガディスはようやく気がついたのかとため息を吐いていた。セイルーン王女のはずなのに妙に無邪気なところがある。それにゼルガディス自身が救われたことも何度かあったが、この場合は悪い方向に進んでいる。
 しかし、直ぐに気を取り直すところもアメリアの特徴である(いいか悪いかは状況による)。

「わ、わかりました。――じゃあ、ここで一緒にお話しましょう♪」

「なんでそうなる!」

 この場合は悪い方向に行ってしまったらしく、プライベートな空間でなければいいと思ったのか、ぺたりと部屋の入り口に座ってしまった。
 激しく突っ込みを入れたくなるのは当然の心理である。
 それが例え、アメリアたる所以であったとしてもだ。寧ろその辺りは激しく修正していくべきだろう。
 はぁ、と疲れたようなため息を吐いたゼルガディスはジト目で座り込んだアメリアを見た。

「アンタはさっさと寝ろ。大体お子様は9時には就寝だろう?」

 やや呆れたような口調にアメリアはぷぅっと頬を膨らませた。

「お子様じゃないです!」

 そうして、言う台詞は行動や表情に正に似合う言葉だった。
 ゼルガディスが子供に例えるのも分かるぐらいには。――もっとも二十歳前後の女性に対して子供と言ってしまえるゼルガディスもゼルガディスだが。

「そうゆう行動がお子様だ」

「ぐ」

 言い返せず、アメリアは苦い顔をした。
 何せ、言語のボキャブラリーに関してはゼルガディスのほうが遥かに上なのだ。無論もともとの口の達者さから言えばアメリアのほうに分があるはずなのだが(何せ彼は物事を語ろうとはしない)、こういった口論になる際大抵アメリアのほうが理不尽な意見を無理やり通そうとするので、理論が崩れやすい。正論を述べているのはゼルガディスのほうなのだから、正論が勝つのが世の必然なのだ(無論例外はどこにでも存在する。例えば某どらまたとか)。
 ゼルガディスは顔を下に向けているアメリアを見て、ふぅと息を吐くとぽんぽんと頭を撫でるように優しく叩いた。

「寝るんだ。明日も、仕事で忙しいんだろう?」

「……わかりました。今日のところは引き下がります。でも、明日は引き下がりませんからね!」

 とうとう諦めたのか、びっと素早い動きで立ち上がったアメリアはびしっと人差し指をゼルガディスに突き立てると、おやすみなさいと笑顔を沿えて挨拶するとドアを閉めた。
 口を挟める暇もなく行われた素早い動作にあっけに取られたが、ゼルガディスはドアの直ぐ隣の壁に背を預けるとため息をついた。
 それはまた明日も同じことが繰り返されることへの疲れだったのかもしれない。
 ――と、そんときだった。

 ばぁあああんっ!

 まるで呪文か何かで吹き飛ばしたような大きな音が背中――つまりはアメリアの部屋の中から聞こえてきて、ゼルガディスは咄嗟に断りを入れることなど思い浮かばずにドアを開けた。
 状況は悲惨だった。
 割れた硝子が毛の長い絨毯に飛び散っている。硝子が割れた所為でびゅうびゅうと冷たい風が入り込んできていた。
 そして、割れた大きな窓を背にしてアメリアは抱きかかえられていた。
 アメリアを抱きかかえた男の端麗な顔立ちはどこか冷え冷えとした人間らしくないものを感じさせる。それは、一番目に表れていた。――人をなんとも思っていないような冷えた目。
 服はどちらかと言えば剣士風だろうか。しかしゼルガディスと同じく武具は見受けられない。
 ――それは、明らかに人間ではなかった。
 ゼルガディスは腰から剣を抜いた。
 抱きかかえた男は武器を準備することも出来ない。しかし、ゼルガディスがアメリアを狙えないことを知っているのかそれとも魔法があるからか余裕で笑みすらも浮かべていた。

「この娘は頂く」

「させるか!」

 声を発し、アメリアを取り返すためにゼルガディスの身体が動く。しかし、それより先に男は吸い込まれるような深い闇の中へ、アメリアを抱いたまま身を投じた。
 それを見たゼルガディスも咄嗟に翔風界レイ・ウィングをその身に施し、闇へと吸い込まれるように窓の外へと身を投げた。
 身体の構成は元に戻ったはずだったのに、魔力がなくなることはなく寧ろ増大していた。
 合成獣になる前には魔力のまの字すらも感じることが出来なかったゼルガディスはその事実に首を傾げたが、自身の体を戻してくれた頭のぶっ飛んだ研究者は、問いかけたゼルガディスにこう答えた。
『妖精霊の魔力がそのまま残った状態で、貴方の元々の潜在意識として封印されていた魔力が解放されたのでしょうね。――貴方のお爺ちゃんか、曾お爺ちゃんだったかはとても強い魔力の持ち主だったのでしょう?……それに気づかなかったのね』
 ゼルガディスはそれを聞いたとき、更に首をかしげた。
 あの、稀代の魔道士と謳われたレゾ=グレイワーズが些細なこととはいえ気付かないわけがない、と。
 けれど、既に聞くべき人は居ない。

 魔族は飛んでいた。
 彼ならば、アメリアを抱えたまま瞬間移動なんて容易いことなのに、まるで後を追えといわんばかりに追いつけない――しかし、見失うこともないスピードで飛んでいた。
 剣を携えたまま、ゼルガディスは彼女の安否だけを気にしていた。
 相手は彼女を暗殺しようとしているのだ。いつどこで殺そうとしてもおかしくはない。
 ぎりっと歯をかみ締めたゼルガディスは、このつかず離れずの距離に焦りを感じていた。
 男は急に高度を下げると、セイルーン国郊外の小高い丘へと降り立った。そこからは、セイルーン城下町を一望することが出来る。
 しかし、深い暗闇に包まれた今ではぽつぽつと灯る光を確認するのみだろう。
 ゼルガディスも後を追うようにその小高い丘へ降りると、魔族が腕に抱えたアメリアを誰かに渡しているようだった。
 月の光を頼りに彼女の顔を覗き見ると――シンシアだった。
 剣を抜き出したままのゼルガディスを認識すると、シンシアはわずかに眉を顰めて魔族を見た。

「有難う、ガライ。でも、どうしてその男まで連れてきたの?」

 それはまるで緊張感のない声音だった。
 口を尖らせて、少し不満そうに言うさまは傲慢なお嬢様、とでもいうさまで昼間アメリアや自分に対して見せていた内気な娘という印象など影も見えやしない。

「……闘ってみたくなったのでな。その男と」

「んー。まぁいいけど。アメリアが私のものにさえなれば」

 シンシアはけらけらと笑った。其処には緊迫した雰囲気などこれっぽっちもなく、彼は苛立った。
 状況が読めないのだ。シンシアも魔族――ガライも自分達が犯人だと認識されたのに焦りすら見せない。それは驕りからなのか純粋なる狂気からなのかそれともゼルガディスの実力がそれほどないと思われているのか。
 全てが当てはまっているような気がして、やっかいなものだとゼルガディスは眉を顰める。

「さて教えましょうか、ゼルガディス=グレイワーズさん? 貴方はどこから聞きたい?」

 にこり、と微笑みゼルガディスに質問を促す。
 そんなことをする前に、さっさと始末して足がつかなくなるうちに俺の死骸にでも罪を押し付けてまたセイルーン城で働けばよいのに、などと目の前の犯人達よりも更にあくどい事を考えながらゼルガディスは質問を述べる事にした。

「あんまりにもストレートに犯人がアンタ達だったのには驚いたが……。そうだな、動機が聞きたい」

 その言葉にシンシアは微笑を浮かべ、アメリアをすとんと自身の足元に下ろして視線を真っ直ぐゼルガディスに向けると言った。

「ガライは人間世界を荒らして魔族達も荒らして、全部荒らしてしまいたいんですって。私はアメリアが欲しかった。共通項が出来た二人は協力し合うようになりました。……簡単でしょ?」

「アメリアが欲しい?」

 ゼルガディスは思わず口に出していた。
 そのニュアンスがあまりにも――男女間に生じるそれに似ていたため。

「ええ。女同士だとおかしい?貴方、元合成獣でしょ?合成獣と王女の恋愛は許されて、女同士の恋愛はおかしい?そんなのナンセンスだわ」

 はっと彼女は吐き捨てるように笑った。
 その言葉とそして、シンシアの行動にゼルガディスは理解できないとばかりに眉を顰めた。それは、決して女同士の恋愛に理解できないのではなく。

「だが、恋愛は一方的なものではない」

 純粋にそう思ったからだった。
 そう思えたのは恐らく――。ゼルガディスは艶やかに笑う女性の足元でぐったりと頭を垂れるアメリアを見た。
 しかし、シンシアはまったく理解できないと言いたげに眉を顰め、憎々しいといわんばかりの表情をゼルガディスに向けた。

「一方的なものだわ。欲しくて欲しくて欲しくて、でも相手は振り向いてくれない。愛しすぎた感情は破滅へと向かうのよ。自分だけのものになってしまえばいい。誰かのものになるくらいなら殺して自分の手の中に収めてしまえばいい。それとも、貴方は思い思われて恋愛だなんて夢見る少女のようなことを言うの?」

 彼女の恋愛感情はアメリアを死に追い込むことで完結するというのだろうか?とゼルガディスは思った。
 果たしてシンシアがそれほどに分かりやすい感情をアメリアに示したのかはわからなかった。
 今はともかくとして、アメリアや自分に見せた控えめな女性という像はアメリアに感情を示せるとは到底思えなかった。ならば、勝手に恋焦がれて勝手に叶わぬものと決め付けて勝手に殺そうとしているのではないだろうか?
 そう思うと、ゼルガディスはシンシア自身が女同士の恋愛に対して一番偏見を持っているのではないだろうかと思った。確かに彼女は王女で女性に対してそういう感情を持ったことがないかもしれない。だがしかし、彼女がそういう感情を示していればアメリアなりの誠意を持った対応をしただろう。偏見を持つタイプではないのだ、ゼルガディスの姿を見ても嫌悪を示さなかった程度には。
 しかし、何を言ってももう無駄なのだろう。
 アメリアを殺そうと思った時点で。

「そうは思わない。だが、その方向性は間違っている」

 ゼルガディスは静かに呟いた。
 その言葉にシンシアはけらけらと大声を上げて笑った。否定した目の前の男がまったく理解できないと言いたげに。

「なら、貴方はやすやすと他人のものになっていく愛する人を見つめるだけだなんていうの?そんな安っぽい恋愛なんていらない。命を奪い合ってでも愛し合いたいと思うのが恋愛だわ」

 シンシアは何かに取り付かれたように自身の論理を繰り広げる。
 もしかしたら、彼女をこういった方向性へ持っていったのはガライと名乗った歪んだ純魔族なのかもしれない。けれど、最終的に決めたのはシンシア自身の何者でもなかった。
 きっと彼女がアメリアに思いを寄せ、そしてそれをガライという魔族に関わらせてしまった時点で彼女の些細な恋心は狂気と化してしまったのだ。

「それはただの自己満足でしかない。本当に愛するのであれば相手の幸せを願うものだ。アンタは安っぽい感情的な恋愛しかしたことが無いようだな」

 苦笑したゼルガディスは、そんな風に呟いた。
 ゼルガディスも一歩間違えれば彼女のような凶行に走っていたのかもしれない。しかし、そうならなかったのはきっとアメリアだったからなのだろう。正義をこよなく愛し民をこよなく愛しているアメリアだからこそ。
 だからこそ、ゼルガディスはシンシアに言うことが出来たのだ。
 殺したいほどの愛情など安っぽい恋愛感情でしかないのだと。
 しかし、シンシアにゼルガディスの言葉を理解することは出来なかったようで、寧ろ持論に反論されたことに対してかもしくは否定され続けていることに対してか、苦い顔をした。

「……分かってもらえないようね。ガライ、さっさとその目障りな男を殺って頂戴。私はそれを見てからこの愛しいお姫様に永遠の愛をお届けすることにするわ」

「そうか」

 ガライはようやく許可を貰えたことにふっと口元を緩ませると真っ直ぐにゼルガディスを見た。
 それは、一度も純魔族と対面したことの無いような人にとっては震えを抑えられないくらいの殺気を含んだものだった。
 しかし、ゼルガディスは魔を滅するものリナ=インバースと共に行動していたときに生涯の悪運を使い果たしたのではないだろうかと思うぐらい純魔族に会っていたので、それほど動じることは無かった。
 とはいえ、相手はどれだけ歪んでいようとも純魔族。アメリアの命を奪える立場に居るシンシアに気を配れるほどの余裕は一気に失っていた。
 ゼルガディスは隙を見せず目の前の男の行動を見逃さぬよう緊張の糸を張った。
 足を蹴りだし、動く。
 動いたのはガライだった。
 いつの間にか人間の五本の指をかたどり、きちんとした右腕だったそれは硬さを孕んだ剣のような鋭いものになっていた。
 ゼルガディスは右手に持っていた剣でそれを器用に弾き返した。
 後ろに下がる様を見ながら、呟いていた呪文を完成させ――発動させた。

烈閃砲エルメキア・フレイム

 精神世界面に実態ともいうべき精神体を浸らせ、そちらが本性である魔族には炎などの実世界に効果があるものよりも、人間ならば精神を破壊されるような攻撃のほうが遥かに効く。ゼロスがアメリアの『生の賛歌』に悶え苦しむのと同じ原理だ。
 しかし、それはタイミングが悪かったようで地面に着地しぐぅっと足を前に踏みしめ、前へ体重移動することにより回避された。そして、そのまま魔法を唱えた隙を狙っているかのように真っ直ぐゼルガディスの前に踏み込み剣のような腕を振り下ろした。
 が、これもゼルガディスは片腕で握った剣であしらうと、今度はゼルガディスが距離を取るために後ろへ下がる。
 しかし、ガライはそれを許さないと言いたげに手から実体化させたのか召喚したのか原理はよく分からないが、鉱石のような石つぶてをゼルガディスに放った。
 だが、ゼルガディスも伊達に修羅場を乗り切っていない。後ろへのステップを踏みながら腹部など避けきれない部分の鉱石を剣で叩き落とし、捌ききれなかったところは持ち前の素早さで避けた。
 石つぶてが収まる頃を見計らいぐっと足を踏みしめてバックステップをやめたゼルガディスはそのまま口の中で詠唱をしていた最後の言葉を放つ。

「崩霊裂」

 それは、精霊魔法最高の術。同じく精霊魔法に長けていたアメリアと仲良し四人組をしていた頃同時に放っていた得意技でもあった。
 しかし、発動された際に対象物を包み込む青白い炎はガライを包み込むことは無かった。避けられたのである。
 ちょっと痛い程度だと技を受けられるよりもいいかもしれないが、そんなことを言うのは赤眼の魔王の腹心ぐらいなものである。そんな突拍子も無い敵と一緒にされては目の前の歪んだ純魔族が可哀想である。
 ともかくゼルガディスは避けられることも見込んでいたのだろう、既にガライの目の前につけ剣を振りかぶった。
 魔皇霊斬アストラル・ヴァインもかかっていない剣など、物理攻撃が一切効かない純魔族であるガライにはおもちゃの剣で切ろうとしている子供ぐらい愚かなものにしか見えない。
 ガライは嘲笑しながらその剣をその身で受け止めようとする。
 刹那、ゼルガディスの握った剣の鋼色の刃に青い光が走り抜け読み取れない文字を成した。

「ぎゃああああっ!」

 悲鳴はガライのものだった。
 確かに魔皇霊斬をかける暇など無かった剣はガライの精神体をも一緒に切り裂いていた。
 人間でいう致命傷ほどには。

「な、なぜ……」

 ガライは起こったことが信じられないとでも言いたげに、呆然と呟いた。
 ゼルガディスは剣を持ったまま薄い笑みを浮かべた。

「伊達に世界中を旅していたんではないのでな」

 ゼルガディスが言葉を紡ぐと同時に、ガライの端正な肢体はまるで闇に溶け込むように灰になって消えた。
 それと同時にゼルガディスの耳に風を切る音が聞こえた。
 反応し振り返ると同時に、風を切る音の元を剣で叩き落とす。きらりと闇の中で輝いたそれはきちんと調べることは出来なかったが、恐らくアメリアを襲ったものと同じタイプの針だろう。

「元暗殺者、か」

「でなければ、こんなか弱い女性に人を殺せるわけないでしょ」

 シンシアはにこりと微笑んでゼルガディスの言葉に肯定した。
 正確に首を狙ったものは恐らく一度で相手を殺すためだったのだろう。
 首は狙い辛い箇所だ。的は小さいし常に動く。一度目で致命傷を狙わないのならば腹部を狙ったほうが当てやすいだろう。
 なのに、シンシアはどこまでも正確に首を狙ってきた。……よほど、腕の良い暗殺者だったと見える。
 それがわかっても、なお分が悪いのはゼルガディスだ。なぜならば、人質がいる。
 そして、彼女は人質を殺す手段を有しているのだ。――針という小さな小さな手段を。

「ガライがやられたのは予想外だったわ。でも」

「アメリアを自分のものに出来ればいい、か」

「当たり」

 ゼルガディスの言葉に、彼女は悠然と微笑んだ。

「そんなに大人しい娘でもないがな」

 え、と不思議そうな顔をするシンシアの足元で目を見開いたアメリアは起き上がると同時にアッパーを決めた。
 それはストレートにシンシアの顎へ入っていき、どさりと彼女は倒れた。
 あっけない幕切れである。



      >>20060705 戦闘シーンがいまいち。



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